騎士はキミに恋をする
「ぇ? ちょっ! はいっ?!」
そんな短い単語の悲鳴を
繰り返しながら
玖澪羽は自分の首に置いてある
テラスの腕から逃れようとした。
が、
「ぅ、ん…。」
テラスの寝ぼけた声がするとともに
玖澪羽のテラス側にあった手が捕まれた。
慌ててその手を振り払おうとするが、
やっぱり、女子の腕力が
男子に腕力に敵うわけがなく、
「…。」
玖澪羽はあきらめて
テラスに手を捕まれたままであったが、
二度寝することにした。
もう一回もぞもぞと布団にもぐりなおす。
まだ自分の体温で温かいままだった。
「…………。」
テラスが寝ているのをいいことに、
テラスの顔を観察する。
初め見たときはそんなに気にもしなかったが、
今、よくよく見てみると、
結構イケメンの部類だった。
整った顔、
長いまつげ
その他etc.etc.
まあ、とにかくイケメン。