騎士はキミに恋をする
城門の前まで2人で歩く、
超無言。
気まずい…。
あ、前にもこんなことあったけ。
初めてのデートんだかの時、
緊張しすぎて2人とも無言で
気まずかったなあ。
しみじみと昔のことを思い出す。
まあ、そんな昔の事でもないけれど。
「あれ?」
ふと私は声を上げる。
「? どうした?」
歩みをとめた私に合わせて
テラスも歩みを止める。
「もしかして、歩き?」
「ああ、そうだが?」
当たり前のように言うテラス。
「馬車とか馬じゃないの?」
「業者に頼むの面倒くさいし。」
面倒くさがった、コイツ。
「いいじゃないか。
歩くほうが楽しいぞ?」
そう言って無理矢理
私の手を掴んでずんずん歩いていくテラス。
「ちょ、もっとゆっくりでいいじゃん!」
若干転びそうになりながら
私はテラスに抗議した。
テラスは少し笑って、
顔をそむけるように前を向いて
さっきよりももっと速く歩いた。