騎士はキミに恋をする
やがて2人は国で一番人通りが多い
大通りを抜け、
住居区となっている通りを抜け、
広場に出た。
石畳で作られた広場の中心には
大きな銅像があり、
その銅像から水がとめどなく溢れていた。
簡単にいえば、
銅像を噴水を合わせたもの。だった。
「目的地はこの先だ。」
その言葉と同時に
止まりかけていた私を
テラスがくん、と
少し力任せに引っ張り、
また転びそうになる。
言葉で注意するのもなんだか面倒なので、
足首か、脹脛を蹴ろうかと思ったが、
今ここで転ばれたら、
それに躓いて自分も転びかねないので、
仕返しは帰ってからにしようと思った。
広場を通り過ぎて、
前に見えてきたのは大きな大きな大聖堂。
白く、そこに佇む様に存在していた。
聖堂の上のほうにある時計の文字盤が
11時をさし、鐘の音が国中に広がった。
学校の鐘のような音とは似て非となる音に
私は少しだ聞き入った。