騎士はキミに恋をする
大聖堂の中は、
思ったよりも日の光が入り込んでいて、
とても明るかった。
明るいも通り過ぎて眩しいかもしれない。
私は少しだけ、目を細めた。
入口を通り過ぎると、
長く、明るい廊下があった。
長く、広い廊下が。
ふと上を向いて高い天井を見ると、
たくさんの、幼い天使たちが、
聖堂の中にいる私とテラスに向けて、
優しく微笑んでいた。
まるで、愛しい人を見つめるように。
玖零羽も天使たちに向って、
少しだけ微笑んだ後、
まだまだ先の見えない、
廊下の先を見つめた。
廊下の先からは、
神々しいくらいの光がさしていて、
今度はこらえきれずに
私はぎゅっと目をつぶった。
何故か転ばなかった。