僕の夢

「残り半年…」

いきなり言われたその言葉は、あまりにも短い言葉で、僕にはあまり理解ができなかった…
僕はただただその言葉を聞き、はい…と言うことしかできなかった。
16年間とちょっと生きてきて、たぶんこんなに意味のない返事をしたのは久しぶり…いや、初めてかもしれない。
母は泣いている。父はほぼ無表情だが、手をグーにして、手首の筋のようなものが浮き上がるくらい力が入っていた。
僕はというと、あまりいつもと変わらない。今まで闘病生活を続け、必死に死の恐怖からもがいてここまできたのだ。「やっぱりな…」という感じだ。
だが今思うと、僕の人生は闘病生活を抜いたら何もないような気がした。

「青春とかしたかったなぁ…
恋愛とか結婚とか色々…
したかったなぁ…」

そう思うと、少しブルーになった。
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