純愛ワルツ
恋は突然、落ちるもの
「いらっしゃいませ〜」



あぁ、暇だ。


つまんねぇよ、全く。




「柏木!ダラけてんじゃねぇよ」



うっせぇ、キモロン毛。



と、バイトの先輩に心の中で暴言を吐く毎日。




「心の声が声に出てんだよ、テメェ」



ボカっとゲンコツを喰らう。



このウザいキモ男こと吉澤(よしざわ…名前は知らん)先輩はバイト先の先輩で


バンドを組んでるとか何やらで、金髪のロン毛の大男。



頼んでないのに

すーぐツッコんでくるし
すーぐ怒鳴る。




空きっ腹にブラックコーヒー飲みまくって、胃荒らして入院すればいいのに、こいつ。



「先輩、暴力はやめて下さい。訴えますよ」


「給料泥棒だって俺がお前を訴えるわ!!」



ヒステリーな男ってウザっ。



どうしてこんなにお洒落なカフェなのに

こんなに色気もクソもない男を採用したかね、店長。




俺のバイト先、『LOVE SICK Cafe』は珈琲や軽い軽食があるカフェ。



店の名前は如何なものかと思うけど、珈琲の味は確かで

広い内装と洒落た外装のおかげか学生の溜まり場になっている。
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