純愛ワルツ
「デートというものは楽しまないと意味がない。大和がそんな緊張していたら、彼女に気を遣わせてしまうぞ」


「高校生のガキが偉そうに」


「アドバイスをしてやったんだ」




何故か険悪な雰囲気になる先輩とお兄様。



なんなんだよ、この面倒くせぇ男らは。




仲裁に入る気にもならず、先輩の部屋に散らばるアダルティーな本を読んでいた。





「柏木、今生の願いだ。ダブルデートしてくれ」


「えー…ダブルデートぉ?」




それって胡桃が気まずいんじゃ?



きっと俺と天音が一緒にいる所、胡桃は見たくないと思うし。




ふふ。

あんだけ可愛い子がヤキモチ妬きって…どんだけ可愛いんだよ。





「ダブルデートが不満なら、トリプルデートにしてやってもいいぞ」


「トリプル?」




えっと、天音と先輩だろ、そして俺と胡桃。


あと誰と誰?





「俺と彼女も参加しようじゃないか」


「えー!!シスコンのクセに彼女いたんですか!?」


「いたら悪いか?」


「いやぁ〜…かなり予想外。なっちゃんは胡桃命なのかと思ってたから」


「なっちゃん言うな。目ん玉ほじくるぞ」




彼女いるのにシスコンって…。


さぞ彼女は苦労してるに違いない。
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