純愛ワルツ
嘘のない真実の嘘つき
もうすぐ夏休みになるから

胡桃と何処かに行こうか。



やっぱ海かな。

また水着姿の胡桃見たいし。




でも花火大会もいいな。


胡桃の浴衣姿は
水着並に萌えるはず。





夏の暑さと開放感はアバンチュール。




じゃあ…

胡桃とついに結ばれちゃったりするのかな。





…なんて

ワクワクしていたのは1ヶ月以上も前だ。









「元気出しなさいよ」




9月―…。




いつも通り


大学に来て

講義を受けて

薬品臭い教室で実験をして…。





「今日の解剖の実験の時の茜、超不気味だったんだからね。無心で虚ろな目でザクザクグチャグチャ…あ〜…思い出しただけで吐きそう」




1人でピーチクパーチクくっちゃべる天音の話を聞き流す


何も変わらない日常。






「そうだ。私ね、大和と付き合う事にしたの」


「へぇ…」


「寂しい?茜が寂しいって想うなら別れてもいいよ」


「…いや。あのオッサンの事、ちゃんと大切にしてやれよ。…簡単に手放すと後悔するぞ」




俺みたいに、な。






そのまま天音とバイト先に向かうと、入口の前で女子高生とぶつかった。
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