純愛ワルツ
「ただいま〜」


「おかえり、胡桃。今日もカフェに行ってたのか?」



家に帰ると、双子のお兄ちゃんの棗(なつめ)が出迎えてくれた。




「お兄ちゃん!聞いてよ。私、恋しちゃったよ〜」


「…恋!?」



お兄ちゃんに一通り茜くんの話をすると、お兄ちゃんは眉間に皺を寄せていた。


あれ?




「喜んでくれないの?」


「誰が喜ぶか。…そんな何処の馬の骨か分からない男なんて絶対ダメだ!!」



お兄ちゃん、パパみたい…。




「お兄ちゃんは彼女を取っ替え引っ替えしてるのに私はダメなの?」


「取っ替え引っ替えって…。胡桃は女の子だろ。操は結婚するまで守らなきゃダメだ」


「お兄ちゃんの元彼女達の操は?」


「知らん」



矛盾してるよ。





小さい頃から共働きの両親に替わって、私の面倒を見てくれたのはお兄ちゃんだからか


お兄ちゃんは凄く過保護。





優しいお兄ちゃんは好きだけど、頑固なところはたまに嫌い。
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