純愛ワルツ
うるさかったカフェを後にし、胡桃と手を繋ぎながら家までの道を歩いていた。
「やっぱり、よっしーとお兄ちゃんといる時の茜くんは面白いです」
「いや、あれはあの2人が悪い。俺はもっとクールなのに…」
「でも、私はみんなでいる時の茜くんも好きですよ」
そんな事を言う胡桃にチュッと触れるだけのキスをした。
軽いキスだけど、リップ音をワザと大きくしてね。
その行為に、胡桃は顔を真っ赤に染めた。
「俺と2人でいるのは好きじゃないの?」
「ふ…2人の時も好きです!!けど…2人だと恥ずかしくてあんまり茜くんの顔見れないので…」
もうっ!!と、繋いでいた手を解いて
赤く熱を持つ頬を押さえながら胡桃は少し前を歩く。
街をオレンジに染める夕日が
小さな彼女の影を俺に映す。
近くに胡桃がいてくれる事を
改めて幸せに想わせてくれた。