純愛ワルツ
胡桃 side
― ライブ当日 ―
少し早めに会場に着いた。
一秒でも早く茜くんに会いたいって思ったら、30分も前に着いちゃったよ。
「メイク崩れてないかな?顔テカってないかな?」
バッグから手鏡を取り出して、顔を確認した。
うん。
大丈夫っ!
それより…この服で大丈夫かな?
変じゃないかな?
お気に入りの白い花柄のワンピースを着てきたんだけど…
ライブには不似合いかも。
でも茜くんが、少しでも可愛いと思ってくれたらいいな。
「茜くん来たら何話そうかな。…そういえば私、茜くんのこと何も知らないや」
今、いくつなんだろう。
見た目からして大学生…かな?
何処に住んでて
家族は何人いて
どんな毎日を送っているのかな。
いっぱいある聞きたい事を、今日少しでも教えてもらえたらいいな。
「胡桃!」
ドキドキして茜くんを待っていると、ベースの入ったケースを肩に掛けたよっしーが現れた。