純愛ワルツ
「胡桃、買い物は今度の休みにしないか?」


「え?」



今日は作戦を練らねば!




「お休みの日に、また一緒にお出掛けしてくれるんですか?」


「うん。休みの方が服選ぶ時間があるだろ?」


「わぁぁ!嬉しいっ!また茜くんと出掛けられるなんて」



こんなに喜んでくれるとは思わなかった…。



けど、嬉しいな。


ってか可愛いな。





「茜〜♪」



ほんわかした雰囲気の中、胡桃を見つめていると


それをぶち壊す変な声が聞こえた。





「やっ〜と追いついたわ」



変な声の主、天音は俺の腕に絡みつくと胡桃を見つめた。




「あれ?茜、妹なんていたっけ?」


「妹じゃねぇよ。ってか、くっつくな!」


「妹じゃないの?じゃあこの子誰?」



彼女。



…とは、まだ言えない。





「…バイト先の常連さん」



友達じゃねぇし

好きな子って暴露すんのもなんなんで



咄嗟に出たのが、常連さん。



間違っちゃいねぇしな。





「…常連さん…ですか」




ポツリとそう呟いた胡桃は、悲しそうに苦笑いしたように見えた。




「それよりさぁ、早く茜のカフェ行きましょうよ」


「テメェは黙ってろ!!ってか失せろ!!」


「やーん、もう。照れちゃって」



やーん、じゃねぇよ。


マジうぜぇ。




胡桃といれる貴重な時間の邪魔すんな。
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