純愛ワルツ
「あの茜くん。私はこれで…」


「え?」


「お邪魔みたいなんで、今日は大人しく帰ります」




胡桃はペコッと頭を下げると、俺に背を向けた。




「胡桃、ちょっと待って」



カバンからルーズリーフとボールペンを取り出し、メールアドレスを書いて胡桃に渡した。




「待ち合わせの時間決めたらメールして?」


「…ありがとうございます!」




胡桃はルーズリーフを胸の前で握り締めて笑った。





「ふーん…。茜、あぁいうのがタイプなんだ」



去って行く胡桃の背中に手を振っていると


後ろにいた天音が呟いた。





「可愛いだろ、あの子」


「…そうね。清純系で男ウケしそうな子よね」




そうなんだよなぁ。


可愛いし、性格もいいし、ややぽっちゃりしてる体もイケてるし、可愛いし(2回目)



あれがモテないワケがねぇんだよな。




胡桃はきっと、学校のマドンナ的存在に違いない。
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