純愛ワルツ
可愛い子ちゃんは俺と先輩に頭を下げると、トレーを持って奥の席に行ってしまった。




「キモロ…じゃねぇや、吉澤先輩」

「思いっ切り聞こえたぞ」

「あの子と知り合いなんスか?」

「スルーかよ。…あいつはダチの妹だよ。そういや、お前は丁度あいつが試験中に入ったから今日初めて会うんだったな」




なーんだ。

ただの友達の妹ね。



薄い関係じゃねぇか。


所詮キモロン毛だしな。
心配した俺がバカだった。




「お前、胡桃に惚れたか?」


「惚れたっていうか…」




ベタ惚れ?




「確かにあいつ、普通に可愛いもんな」


「えっ!?テメェも狙ってる系!?」


「タメ口きくな。それとちげぇから」




ま…まぁ、コイツ相手じゃ余裕だけどねっ。



絶対コイツより俺の方がカッコイイしイケメンだし、モテるし優しいし…


負ける要素がねぇ!!





「先輩。俺、空いたテーブル拭いてきまーす」



と、言うのは嘘で。


あの子を盗み見してこよ〜♪
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