純愛ワルツ
「…お前、マジに惚れてんだな。ちっと感動したよ、俺」


「キモロン……先輩に感動されても嬉しかねぇです」


「お前はもっといい加減な奴かと思ってた」


「いい加減な奴が医者になろうなんて思うと思います?」


「あー…そういやお前、医大生だったな。なんで?」




なんでって。




…なんでだっけ?






「…お医者さんごっこしたいから?」




そう言ったら先輩に頭を小突かれた。





「茜くんは何にしますか?」


「あぁ、じゃあ…カフェモカで」


「私はココアで。よっしーお願いします」


「はいよ」





ドリンクの乗ったトレーを持って席に着き、ホッと一息ついた。



あぁ、そうだ。




「胡桃、修学旅行のしおり見せてくれる?」


「はい、どうぞ」




しおりをパラパラ捲ると、胡桃の班は男女3人ずつの6人で構成されていた。



ちっ。

やっぱ男と一緒か。





「同じ班の男子とは仲いいの?」


「仲…いいと言うか、2人は友達の彼氏なんです。私と高山くんだけノケ者ですね」




高山…


同じ班の奴か。




コイツ、胡桃狙ってんじゃねぇのか?




仲良しグループの2人の彼女が胡桃のダチだから


もうお前らも付き合って、グループ交際しようぜって流れになったりして…

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