純愛ワルツ

茜 side

クラゲに刺されろ

ウニを踏め

サメに喰われろ

ハブに噛まれろ




俺に呪い殺されろ、高山ぁぁ〜…





「恐ぇぇよ、お前」




宿泊する旅館の部屋で呪いの呪文を唱えていると


先輩に頭を叩かれた。






あー…


約4日もキモロン毛と片時も離れずにいるなんて最悪。



別室にすればよかったかね。


でもそうすると一室分の料金が高くなるし…ブツブツ






ふとテーブルに乗せていた携帯に目を移すと、胡桃専用ランプの色が光っていた。




「あっ!胡桃からメール来てる」


「胡桃、何だって?」




何でいちいちアンタに報告しなきゃならねぇんだよ。





「…『今、何してますか?』だって。えー…と『吉澤先輩にイジメられてるよ』っと、よし送信!」


「てめぇ…!」




間違ってなくね?






「ってかお前、ここに来てる事バレたんじゃねぇの?胡桃に」


「まっさか〜。あんなコソコソしてたんスよ?」


「どこがだ!!あんな堂々と色んな事してたじゃねぇか!胡桃といた男を突き飛ばしたり剛速球投げたり」




あれは高山って奴が悪い。


俺の胡桃を口説こうとした罰だ。






「まぁバレても胡桃なら何も思わねぇだろうな」


「ですよね」




胡桃は優しいもんな。

逆に喜んでくれそう。




あぁ、会いてぇな。
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