純愛ワルツ
「なーんだ。胡桃ちゃん彼氏いるんだ。あんな可愛い子にいない方がおかしいよね…って茜!?」




俺は走って後を追い、胡桃の腕を掴んだ。




「痛っ!…茜くん!?」




突然引っ張られた事に驚く胡桃。






「…行くぞ、胡桃」


「は…離して!!天音さんが見てますよ!?私も彼氏と…」


「彼氏だと?何処の誰だか知らねぇけど、俺より胡桃を想う男なんかいねぇんだよ!!」




そう叫ぶと辺りがシーン…と静まり返った。






「…え?えっ!?えぇぇ!?それはどういう…」


「胡桃の彼氏は俺だ。…行くぞ」




ポカンとしている胡桃の友達と先輩と天音を置いて


俺は胡桃とその場を後にした。







…あ?


俺いま、さりげなく…ってか思いっきり告白しなかった?




あぁぁぁ…


もっとロマンチックな場所で、もっとロマンチックな言葉で告ろうと思ってたのに。



やっちまったな。





「…茜くん」

「ん?」




暫く無言のまま手を繋いで歩いていると


少し遠慮がちに胡桃が話始めた。
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