純愛ワルツ

今から学校出るって茜くんにメールした方がいいかな？




そう思い携帯を取り出すと、教室の中が騒がしくなった。




「ねぇ、あの校門の前に立ってる人誰？」


「ヤバい！超カッコ良くない!?」




何だろう？




女子達が群がる窓際に近付き外を見ると


校門の前に茜くんが立っていた。





「あ…茜くん!?」




なっ…何でいるの？






「茜くん、どうして…」



慌てて茜くんの元へ向かうと、茜くんは優しく笑ってくれた。




「ちゃんとした待ち合わせの時間決めてなかったから迎えに来たんだ」


「よく高校分かりましたね」


「前に生徒手帳見たからね」




そっか。

だからわざわざ迎えに来てくれたんだ。



茜くんは優しいな。






「迷惑だった？」

「まさか！とんでもないです!!凄く嬉しいですっ」




改めて彼女になれたんだって実感出来て、本当に嬉しい。






「…おい、ヤンデレ野郎」




茜くんを見てきゃあきゃあ騒ぐ女の子の声に交じって、お兄ちゃんの声が聞こえた。



私と茜くんは同時に顔を上げる。