純愛ワルツ
「親父は履歴書で従業員の誕生日覚えては、毎回ケーキを作るんだよ」


「え!?店長の手作りなんスか?食えんの、これ」




よっしーは茜くんの頭を叩く。



茜くんとよっしーは今日も仲良しだなぁ。






「俺の親父は昔、一流のパティシエだったんだぞ」


「あのファンキーなオヤジが!?」


「だからココのケーキって安いのに美味しいんですね」



一流のパティシエだからって気取った価格にしないなんて


素敵な店長さんだなぁ。





「胡桃はいい子だな。柏木みたいな捻くれた腹黒男なんかの何処がいいんだ?」


「茜くんの良さは私が1番知ってます」




というか、茜くんの嫌な所も変な所も


きっと好きになっちゃうよ。





「だとよ、色男」




茜くんを見ると、茜くんは手で口元を隠して顔を赤く染めていた。




こんな顔で照れるんだ…。





「…やべぇ…。胡桃が可愛過ぎておかしくなりそう」


「もうおかしいだろ、お前の脳内は」




いつもクールな茜くんの可愛い表情が見れて


何だか胸がポッとした。







「それじゃあ行くか。先輩、ケーキありがとうございます」


「あぁ。仲良く2人で食えよ」


「はい!よっしー、ありがとうございます」




お店を出て、暫く歩いていくと


小さいけど綺麗なアパートに着いた。
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