純愛ワルツ
「胡桃は専業主婦がいいんじゃね?」


「せ…専業主婦ですか?」


「そっ!進路希望の用紙には“柏木 茜”って書けばいい」




わっ…わわわわわ!!!!



それってプロポーズ!?



え?

茜くん!?





「…そうだ。胡桃、私服持って来たんだろ?」


「え?…あっ、はい」


「じゃあ洗面所で着替えておいで。俺、ココにいるから」




茜くんは私から体を離すと、立ち上がってベランダの窓を開けた。




急にどうしたんだろう?




そう思いながら服を持って脱衣所へ向かった。




お風呂とトイレが一緒になっているユニットバスの洗面所は


いつも茜くんから香る爽やかなシャボンの匂いが広がっていた。




全身が茜くんに包まれてる気分になる…。






「…って、何考えてるの私は!」




ブンブン頭を振ってから制服を脱いでいると


突然、グラリと床が揺れた。




じ…地震!?





「いっ…いやぁぁぁぁぁ!!」


「胡桃!?大丈夫か!?」


「あかっ…茜くっ…」




脱衣所に入って来た茜くんに抱き着くと、茜くんは強く抱きしめてくれた。





「大丈夫だから落ち着け」

「ひっ…」




グラグラと暫く激しく揺れた後、地震は収まった。
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