純愛ワルツ
「…ふっ」

「え?」



寝てたはずの茜くんは息を漏らすとパチッと目を開けた。



えぇっ!?

起きてたの!?





「今のは反則だよ、胡桃」



茜くんはゴチッと私の額に額をぶつけると、優しく微笑んでくれた。





その顔こそ反則だよ〜!






「だって、茜くんが可愛い顔で寝てるから…」


「胡桃がキスしてくれんなら、俺一生寝てようかな」




悪戯に笑う茜くんを見て、私も笑った。





こうやって茜くんと笑い合えてる時間が

私は大好きだよ。






「よし、そろそろケーキ食うか!皿と飲み物持ってくるからちょっと待ってて」


「私も手伝います」




一緒にキッチンに向かい、お皿やコップを茜くんから受け取ってると


ジーッとこちらを見つめている茜くんに気付いた。






「…胡桃がフリフリのエプロンつけて、この台所に立ってたら…俺きっと萌え死ぬ」


「萌え死ぬ…?ですか?」


「いや、何でもないよ」




茜くんの言葉を気にしながら再びリビングに戻り


テーブルを挟んで向かい合わせに座った。




茜くんはケーキにろうそくを立てると、ライターで火を点ける。





「せーの、で一緒に火消そうか」


「はい。じゃあ、せーの…!」




フゥっと息を吹き掛けると

ろうそくの炎はスッと消えた。
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