再会
忘れ去られた、燃えるような感覚。覚醒する意識。

焼けるような嫉妬心。異常なまでの独占欲。

それらが眠っているあのころの愛。


「これ以上、主がボロボロになるのはいくら俺といえど心が痛む」


恨みが続けた。一感情が心などと……。

感情にも心があるのだろうか?


「主が心を失えば俺は楽になる、だけど楽しくはないな」


感情が己の心を持って、表に出れる優先度の高い位置へ上り詰めているとしたら。

そんなに恐ろしい事はない。いや、面白いことはない。


感情が、自立して人間に行動を起こすように差し向けているとしたら、笑いが止まらない。


そんなことを考えながら、耳を傾ける。次はいったいどんな言葉が……。
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