再会
「あんたも物好きだな、自分が壊れていくさまをそこで笑いながら傍観してるんだから」

恨みがこっちに視線を向けて言った。あたしに向けて言葉を。感情はあたし自身から自立している。

笑える。これは笑える。頭が狂ったのか?

ねーさんのいない世界で新しい娯楽を見つけられそうです。


そんな思考を巡らせていると、突然恨みがあのころの愛を穴へと突き落とした。

うつろな視線を漂わせながら、あのころの愛は力なく落ちていった。


あたしから、愛が失われた瞬間に見えた。もちろん見えただけ。

心には奥底がある。底なしではない。心の中に入ったって事は、表に出る優先順位が上がったって事。


なくなったというよりむしろ……。
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