【S】サクラサク
「尚人…尚人…!」



存在を確かめるように何度も名前を呼んだ。




「ごめん。和海、ごめんな…」




尚人は抱きしめる力を強くしながら何度も謝ってきた。






「何も言わなくて…ごめん。」



「ばか…尚人のばか!!」




私は涙をこぼしながら叫んだ。






「ホント…ごめん。でも…会いたかった。会えてよかった」



そう言った尚人の声は震えていた。




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