ラストライフ
その太ったタコは急に足を止めた。



目の前に小柄な人影があった、



その怪物たちの濁った冷たい目が恐怖と嫌悪にそまった。


「不浄の輩ども!もうにげられぬ、覚悟するがよい」

若い女性の声だった、びしりと音がしそうな声音だった。




武装した方の怪物たちはゆっくりとその声の主をじりり、じりりと取り囲んでいった。


若い十代後半の少女だった。

顔付きはあどけなさがのこるものの切れ長の強い意志のやどった瞳で
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