真夜中の流れ星
真夜中の流れ星1

6月中旬。
まだ半袖だと肌寒いけれど少し運動すると暑い、そんな季節。
運動場の隅の方の草むらには蚊が大量発生していると陸上部の子がぶつぶつ文句を言っていた。

A型の私はまだましだ。
けれどO型の友達は足や腕、しまいには顔をさされてもう嫌だと泣いている。

そしてこの季節、嫌だ嫌だと思っていた新しいクラスにもようやく馴染め、私はほっとしている。


朝、占いや芸能ニュースをみながら身支度をする。

家を出てから5歩いてバスに乗る。
学校前には停まらないから最寄りのバス停、市役所前でおりてそこからまた15分歩く。

誰もいないであろう教室には向かわず、私は最上階まで登った。
鍵を取り出して扉を開けてから音楽室と書かれたプレートの下を躊躇なしに潜る。



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