真夜中の流れ星
始業時間の30分前。
私は音楽室の片付けをしながら窓の外に視線を流した。
校舎に向かうまでの若干の坂道を群衆で歩く黒い塊。
その制服の群れの最後尾に彼はいる。
常に5、6人程でつるんでいてわりと騒がしいグループ。
紺色のスクールバックをたるそうに背負ってちんたら歩いているその姿に…今日も私は密かに胸を高鳴らせた。
彼は隣のクラスの林洋介くん。
今のところただこうやって見ているだけで満足している状態だ。