真夜中の流れ星

教室に入ると見慣れた顔。
その1つ1つに私はにこりとしながら「おはよう」と挨拶をする。

そして、彼女にも。
目を細めて笑う姿はまるで猫のようで、私はそれを愛嬌があってすごく可愛らしいと思う。
けれどどうやらそれは彼女の重大な悩み、コンプレックスらしい。
だから今日もそのくすぐるような気持ちを胸の奥に留めておく。


夏目みゆき。
高2になって初めてできた友達だ。

「あいみ、みてこれみて!!」と彼女は一枚のCDを自身の顔の前でしっかりと掲げてみせた。

『ミッドナイトミティア』と隅の方に書かれているのを見て私は納得した。
それはみゆきが最近好きなバンドのCD。

「もうすぐアルバムをだす。」
と以前みゆきが嬉しそうに言っていたのを今頃思い出した。



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