あの世留学
留学?
と、急に私の肩を誰かが叩いた。


「こんにちは」

驚いて後ろを振り返ると、そこには一人のお爺さんが、こちらを見て立っていた。

「えっ!?私?私に声かけたの?私が見えるの?」

「はい、見えますよ。
あなたに声を掛けているのです」

私は驚いた。
誰にも見えていないと思っていたし、もう誰とも話なんて出来ないと思っていたから。


そのお爺さんは全身真っ白。
白い髪に白い髭、白いスーツを着て白い手袋をしている。


「おじいさんも幽霊…なの?」

「いいえ、私は天使です」

「はあ?天使?」
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