思いもしなかった恋


私はあれから教室に戻り、授業中ずっとあの人のことを考えていた。三山・・・君。

「香ー帆!」

「え?」

気付いたらお昼休みになっていた。

「ご飯食べよ。あと、朝の続き・・・」

「あ、うん!」

私達は屋上へ行った。

「今日は風がキツイねー。」

「だね。人がいないし。」

「でさ、好きな人って誰?」

「あのね、同じクラスの、は―――」

ガチャ

ちょっとイラつきながらドアの方に目を向けると勇樹と龍人が入ってきた。

「半田くん・・・!」

真希が照れながら言った。

え!?もしかして真希の好きな人って・・・!!

「ねぇ、真希、好きな人ってもしかしてり――――」

「あ、香帆と真希ちゃんじゃん。」

龍人、空気読んで!

「ここでもお前と会うのかよ。」

「うるさい!」

こっちのセリフ!!なんでいつも勇樹は私の周りにいんのよ!!

「口悪いなー。だからもてねぇんだよ。」

「うるさい!好きな人はいるもん!」

屋上は静まりかえった。

あ・・・。やっちゃった。どうしよう!

「香帆!教室戻ろ!!」

ありがとう、真希。

私は走りながら、勇樹と龍人の横を通った。

チラッと勇樹を見ると寂しそうな顔をしていた。

なんで・・・?

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