思いもしなかった恋
始まり


「ごめんね、真希。」

「いいよ。それよりさ、」

「うん?」

「好きな人って誰?」

「!? 」

つい、あの時言ったからねぇ。でも、いないといえば嘘になるし、いるといえば嘘になる。ずっと私の頭の中で浮かんでいる人。

「そ、それより・・・真希の好きな人は?」

「えっ!?でも先、香帆ね。」

「じゃ、じゃあ当てるからさ。1回だけだし!いいよね?」

「うん・・・。」

私は小声で

「龍人、半田龍人でしょ?」

真希の顔が真っ赤になっていった。かわいいなぁ。

「そうだよ。」

認めるところもかわいいよ。

「次、香帆ね。」

やっぱり、そうなるよね。忘れてくれるかなって思ったけど。

「えっと・・・」

「うん!」

何で真希、目キラキラさせてんのよ・・・。

「三山くん・・・?」

なぜか聞いてしまった。

「え!?三山くんか。てかなんで、聞くのよ・・・。」

さほど驚いてないね。てか、やっぱりそこつっこむんだ?

「これで恋バナできるね。」

「うん。」

恋バナ・・・。久しぶりな気がする。中学以来だ。

「てかさー」

急に真希が話しだした。

「うん」

「三山くんて私のいとこだし。」

「そうなんだ。・・・・ってえぇ!?」

ものすごく大きい声が出た。幸い、教室にいた子は少なかったけど・・・。

< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop