本と階段


「…煩い……」



『…え…?』



「袋の音…音立てるならもう少し静かにして…」



『すっすいません?』



「うん。気をつけて。」



……そんなに…煩かったのだろうか…


わたしはわからないまま彼の希望通り、出来るだけ音を立てないように静かに湿布を痛みが走る足に貼った。




この時わたしは気付いていなかったのだ、沢山のことに。




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