壊れかけた私たち
学校を出て1人で街を
ぶらぶらしていた
「ねぇ、ちょっといい?」
肩をポンと触られ振り返ると
ここらへんの高校の制服を
上手く着崩している
男の子が立っていた
「……なに?」
男の子はニヤっと笑って
「うわ〜!可愛いねっ
暇なら俺と遊ばねぇ?」
すぐにナンパだと分かった
「…無理」
ここは冷たくした方が
いいんだよね
それでも
「お願い!アド交換だけでも
良いからさ〜」
食い下がらない男の子
「アドは教えない」
「えー!なんでっ?
仲良くなりたいのに」
大きな声だったのか
周りがチラッと見てきた
朝からいろいろあったし
もうめんどくさくなって
「…分かったから
アド教えないかわりに
遊んであげるよ」
そうすると相手は笑顔になって
「まじで?じゃあー
あそこ行こうよ」
そう言って指を指した方は
ラブホがある方向だった
……そういうことか
「え、いきなり?」
驚いた表情をして
彼の方へ顔を向けたら
「そういう顔も可愛いね!
みゆちゃんだよね〜?」
「…え
あれ、なんで名前?」
確か、初対面だよね
会ったことないもん!
なんで知ってるの?
「優也のダチ!
前に写メ見せてもらった」
「そっか…」
優也の友達なんだ
友達が裏切るだなんて
夢にも思ってないんだろうな
「その写メ見たら可愛くて
俺、みゆちゃん超タイプ!
抱きてーって冗談で言ったら…」
彼はヘラって笑い
「"いいよ"って」
…………………え?
_