壊れかけた私たち
―――――ガチャ
「…ごめんね、先に帰って」
家に着いてからソファーに
座った凌介に謝った
「謝んないで
俺さ…あの男と一緒に居る
みゆを見て、嫉妬でどうにか
なりそうだった」
いきなりの言葉に驚いた
「………嫉妬?」
凌介は小さく頷いた
「今言うのもあれだけど
……俺、みゆが好き」
うそ……
凌介が、私を?
「………好き?」
そうだよ、と微笑む凌介を
見ていたら何だか心が
ギューッと締めつけられた
「…私、最低なんだ」
「え?」
少し驚いた顔を見せた
「優也は知ってたの…
凌介と私の関係を」
マジで?と大きく目を開いた
それに私は深く頷き話を進めた
「だからね、ムカついて
亜希としたんだって…
私、優也を知らない間に
傷つけてたんだよ
亜希まで巻き込んで…」
次第に涙が出てきて
胸が苦しくなった
「優也と別れたくなかった
でも、凌介にもずっと
そばに居て欲しくて
ずるずるこの関係を続けてた」
ときどき相槌をうちながら
真剣に私の目を見て
聞いてくれている凌介…
「ヒドいでしょ?
自分が続けてた関係が
めんどくさくなって
知らない男の子でも
いいやーって………」
途端に凌介の綺麗に整った顔が
ヒドく歪んだ
「――だからね、
おしまいにしようと思った」
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