壊れかけた私たち
視界にポカンとした顔の
凌介が目に入った
「別れたってなんで?」
「だから、この関係を
終わりにしたかったの
ゼロにしたかった…
それにね、気付いたんだ」
「気付いた?」
凌介の顔をもう一度見て
大きく息をはいた
「凌介が好きって気付いたの」
自分で言って恥ずかしくなって
心臓がドキドキし始めた
「あ、あのー
俺展開についてけない」
ちょっと放心状態の凌介
「だから、好きなのっ
今までの体だけの関係は
止めにして彼女にしてほしい」
そう言って凌介の顔を見たら
ほんのり赤くなっていて
いきなり抱きしめられた
「もう離さないよ」
悪魔のように凌介は囁いた
「……だいすき」
「俺の方が愛は大きいもん!
だいすきだよ、みゆ」
ねぇ、凌介
体からの関係だったけど
そこに愛はあったよね
壊れかけた私たちは
壊れる前に気付けて
元に戻ることが出来た
これからはちゃんと
愛を誓うよ
―END―