イネ
玄関ホールの受付に座って、やっとこ、いつもの業務に気分を切り替えた。お昼をまわり、黒塗りの国産車が玄関に待機しはじめた。
 「社長のお出かけね。」「いいとこで、お食事するんじゃない、きっと・・・」「・・・しっ!来たわよ。」イネたち受付嬢は、玄関に並んで、一礼してお見送りである。「いってらっしゃいませ」・・・・いつもは、スっと通りすぎる社長の足が止まった。
「みんな、紹介しておこう。今日付けで、私の秘書をしてもらうことになった、一条金弥君だ。かなりの優秀なヤツで、高額払って、ライバル会社から、ハンティングしてきたんだぞ。よろしく頼む。」・・・・一条は黙って一礼した。

< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop