空とあたしとあなた
第三章

裂かれる世界

柚舞の病気の事を聞いてからの1週間、毎日部活が終わった後にほんの数分間でもいいから逢いに行った


毎日逢いに行く柚舞は、今までと全然変わりなくて、時々本当は柚舞の病気は嘘なんじゃないかって思う


診察ミスなんじゃないかって

もう血の固まりなんて

なくなったんじゃないかって


そんな事ないのに…


こんな事を常に考えてしまう俺はもっとしっかりしないといけないって思う

こんなんじゃ柚舞を支えるなんてできないって思う


でも怖いんだ…

柚舞が居なくなるって思うと

あのニコッと笑う愛しい笑顔が見れなくなるって思うと

大好きな声で「蒼人っ」て呼んでくれなくなると思うと

怖くて怖くて仕方ないんだ…


俺なんかより柚舞の方が怖いはずなのに

いつも笑顔で居て


俺を心配させないようにしてる柚舞は、俺なんかよりよっぽど強いと思う


俺…
情けないよな…


もっと強く
しっかりしないと


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