君にハートを盗まれた。
「ヒカリ、好きだよ」
「先輩…」
先輩の言葉が嬉しい。涙が出そうになるぐらい嬉しい。
何か言わなきゃいけないのに。嬉しすぎて言葉が何も浮かんでこないや。
あたしは、瞼を閉じて、ただブンブンと首を横に振ることしかできなかった。
すると、ふわっと頭の上に大きな手の温もりを感じて
瞼を開けると先輩の優しい瞳が、あたしのすぐ目の前にあって。
軽く、あたしのおでこに優しいキスをすると、ギュッと抱きしめてくれた。
「先輩…」
先輩の首に腕を回してギュッと先輩の体を抱きしめた。
耳元で「ヒカリ、ずっと俺のそばにいろよな」そう囁かれて
こらえていた涙がポトリとあたしの頬を濡らした。