君にハートを盗まれた。

信じる心


「ヒカリ。きのう見ちゃった」


学校の朝のホームルームが終わったあと。授業の準備をしていると、美空がニヤニヤ顔で言ってきた。


「な、なに…?突然…」


戸惑っているあたしに、なおも顔を近づけながらフフっと含み笑いで近づいてくる美空。


少し距離を置いているあたしの耳元に

「きのう先輩と仲良さそうに歩いていたでしょう♪」


嬉しそうに言うとニコッと笑った。


「見てたの?」


顔を真っ赤にしながら聞くと


「うん。見た。なんか羨ましいぐらいラブラブだったよ」


からかうように、あたしの肩を腕で小突くと、良かったと本当に嬉しそうだ。



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