君にハートを盗まれた。

先輩がモテる事は、前から分かっていた事だし。


悔しいけど。あたし以上に可愛い女の子達はたくさんいる。

たまには、落ち込む事もあるけど


先輩が今好きな女の子は


あたしだけなんだって信じているから。


好きな人の言葉を、あたしは信じるって決めたから。


「あたしも頑張んなきゃね」


「何を頑張るの?」


隣りで不思議そうな顔で聞く美空に


「うん?恋と勉強…かな?」


首を傾げながら言った。


だって、そうじゃない?頑張んなきゃダメな時って、きっと沢山あると思うんだ。


それに、今はあたし、片想いじゃなくて。両想いだから。


好きな人が、自分の事を好きだって言ってくれているのに

その気持ちを、あたしは疑いたくない。

自信なんて、何もないけど。

好きだから。信じる。


これって、一番大切な事だと思うから。


あたしは、先輩を信じるよ。




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