君にハートを盗まれた。
大西さんの視線を感じるようになって3日が過ぎた昼休み。

きょうは美空が風邪で休みなんだよね。美空がいないと、つまんないな…。

1人ポケッと窓から空を眺めていたら。

女の子達がザワザワと騒ぎ始めた。

どうしたんだろう。やけに騒がしいな。

「ヒカリ!」

「へっ?」



突然名前を呼ばれて声がする方を見たら、先輩が教室のドアで

「ちょっと」手招きしながらあたしを見ていた。


なんでここにいるの?ドキドキしながら先輩に駆け寄ると
女の子達の視線が痛いぐらいに突き刺さる。


「どうしたんですか?先輩」

「ちょっと、話しがあってな」って言ったかと思うと耳元で「ヒカリの顔見にきた」と囁かれた。

あたしの顔は、一気に赤く染まった。


ニカッて笑う先輩。会いに来てくれたのは嬉しいけど。

さすがにここでは、話しづらいな。

そんなあたしを察してくれたのか

「ちょっと、場所変えようか」と先輩に連れられて、誰もいない踊場に場所を移した。




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