君にハートを盗まれた。
「分かった?あんたなんかね、市川くんに相応しくないの。いつまで彼女面して市川くんの隣にいるつもりなの?」
「えっ…?」
「早く市川くんと別れなさいよ!あんたなんか…市川くんに遊ばれてるだけなんだからね!」
アハハハと嘲笑う声達があたしを馬鹿にしたように包み込む。
やめてよ…。それ以上言わないで…やめて…。
悔しくて…悲しくて…泣きたくないのに…涙が頬を濡らした…その時…
「お前、今、なんて言ったんだよ?」
背後から、怒りを帯びた低い声が聞こえてきた。
振り返ると…
「ヒカリに謝れよ…」
「先輩…」
「ヒカリに謝れよ!!」
怖いぐらいに鋭い視線で宮沢先輩達を見据える先輩がいた。