君にハートを盗まれた。
「好きだから」
せんぱい…どうして…ここに?
先輩…委員会のはずじゃ…。
「ヒカリ、大丈夫か?」
あたしの体を抱き寄せて、優しく包み込んでくれる先輩のぬくもり…あったかいや…。
涙がポトリ…ポトリ…と冷たいコンクリートの床を濡らしていく…。
「大丈夫か?ごめんな…俺のせいで…」
違う…先輩のせいじゃない。
そう言いたいのに。上手く言葉が出てこない。
「もう大丈夫だからな…」
優しく頭を撫でながら、大丈夫…大丈夫と。
まるで小さな子供をあやすように繰り返す先輩。
先輩の背中に、腕を回してしがみついた。