君にハートを盗まれた。

「市川くんが…こんな子と付き合うから…」


「こんな子って…お前…。それ以上ヒカリをバカにする事言うと、女だからって許さねぇーぞ」


チラリと見えた先輩の横顔。怖いぐらいに真剣だ…。


「どうして…?どうして、この子なの?あたしだって…市川くんの事、ずっと好きだったのに…」


涙声で訴えるように話す宮沢先輩。


「宮沢…」


「優花だったから…市川くんの彼女が優花だったから…諦められたのに…」



ズキンとまた、心が痛んだ…。



「どうして…?」


すがるような瞳で先輩を見つめる宮沢先輩。


この人…本気で先輩に惚れているんだ。

だって、今の宮沢先輩。

恋する女の子の瞳みたいに、潤んだ瞳で先輩見ているから…。



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