君にハートを盗まれた。

「とにかく、これ以上ヒカリに手を出すな。何か言ったら絶対許さないからな」

「市川くん…」


「そこにいる、お前たちもだからな。ヒカリに何か言ってみろ。女だからって許さないからな」


先輩の言葉は、有無を言わせぬ迫力を帯びていて。


宮沢先輩達は、ただ黙り込んで複雑な表情であたし達を見ていた。


「ヒカリ、行くよ」


先輩はそう言うと宮沢先輩達に背を向けて、あたしの手を引いて裏庭を後にした。



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