君にハートを盗まれた。
やっぱり、先輩…あたしが行っちゃったこと
怒ってるんだ…。
そう思って、落ち込んで俯いていると
先輩の足が立ち止まり、あたしの方にクルっと体ごと振り返ると
ギュッ…と、あたしをキツク抱きしめた。
「先輩…?」
息ができないぐらいにキツク抱きしめる先輩。
「先輩…くるしいよ…先輩…」
先輩の胸を必死にトントンと叩くと、少し体を離した。
「ごめんな…ヒカリ」
顔を上げて、先輩の顔を見上げると
苦しみで歪んだ表情で、あたしを見つめる切ない先輩の瞳。
「先輩のせいじゃないよ…あたしがついていったから…」
だから何も気にしないでと言っても、先輩は、俺の責任だと言い続けた。
「ヒカリを傷付け、守れなかった…俺の責任だよ」