君にハートを盗まれた。
「先生いないなぁ」
「もう帰っちゃったのかな?」
キョロキョロして保健室の中を見渡すけど
ヤッパリ、誰もいなかった。
「仕方ない。ヒカリ、ここに座って」
先生に促されるまま。丸椅子に腰を下ろすと
「足、見せて」
床に片膝をついて座る先輩の手が、あたしの足に触れ
瞬間的にドキン!と心臓が跳ね上がった。
「血…止まってるな」
先輩の手があたしの足から離れて立ち上がり、消毒液を探し始めた。
「確か、この辺にあったはず…」
棚の上に置いてある。様々な形の瓶や容器を手で取りながら探す後ろ姿をドキドキしながら見つめた。