君にハートを盗まれた。
3人掛けのテーブルに腰を下ろし、美味しそうにジンジャーを飲む優花先輩。
チラッと先輩を見ると、まだ不機嫌そうな顔。
「うん、美味しい」
ニコニコとよく笑う優花先輩。本当に、よく笑う人だなぁ…。
「お前さぁ、話しってなに?」
先輩か、少し苛立ちながら言うと
「あぁ…話ね。そうそう、直哉、あたしとやり直さない?」
「えっ…!?」
余りにも、サラリと凄い言葉を口にする優花先輩を、呆気に取られてボーと見つめるあたし。
先輩に視線を移すと、先輩も呆気に取られているようで…
「お前、馬鹿か?俺には、ヒカリがいるんだ。そんなことできるわけがないだろう」
呆れた。と、あたしの手を握り
「ヒカリ、帰るぞ」
立ち上がり、帰ろうとした。