君にハートを盗まれた。
「ごめんな…ヒカリ。嫌な想いさせて」
「うぅん。元はと言えば…あたしが…」
あたしが優花先輩を放っておけなかった事が原因だから…。
それに…なぜかあのまま優花先輩を放っていても
いつかは、同じことを言われた気がする。
優花先輩は…真剣だった。本気だった。
本気で…先輩とやり直したいって…。そう思っていた。
「ヒカリ」
立ち止まり、あたしの顔を見つめる先輩。
「はい?」
キョトンと先輩の顔を見つめると
フワッと優しく抱きしめられた。
「俺の気持ちは、変わらないから。ヒカリしか…もう好きじゃないから」
“だから…俺を信じてくれ…”
耳元で囁かれ、あたしはコクリと頷いた。