君にハートを盗まれた。

そんなあたしが、彼に告白しようと思った理由。


それは、高校の入学式から一週間の放課後の出来事から始まった。


同じ中学の知り合いが殆どいない高校生活が始まって不安だったあたし。


人見知りで内気な性格。

 クラスの中で誰かに話しかける事もできずに屋上で1人で落ち込んでいた。


「あぁ…。これからどうしよう。友達できるかな…ハァ…」


屋上の柵に寄りかかりながら空をボーと眺めていた。


出てくる言葉は情けない弱気な言葉と、ため息ばかり。

空に浮かんでいる真っ白な雲みたいに、あたしも風に流され遠くの街に行きたい気分だ。





< 3 / 198 >

この作品をシェア

pagetop